Mondo Motoホーム > 雑記index > 雑記011

サスペンションまとめ その2

 今回で長々と続けてきました僕のKTM125のセットアップ&モデファイもようやくフィニッシュです。一台のバイクを作るのに何ヶ月かかってるんでしょうねー、 全く。

 でもまあ思い返してみると、今まで試したことが無かったことも沢山試せたし、こうゆうのは今後に生かせることが出来るんでしょうね、次のバイクは もっとスムーズにゴールにたどり着けるのでは?? と思ったりします。

 まとめの前に、最近良くあるトラブルの例を紹介してみます。

photo:mondo-moto

 これはリアショック(PDS)のリバウンドアジャスター部分の分解図です。

 リバウンドアジャスターがメッタメタに錆付いてしまって、固着してしまったサスペンションです。こうなるとニードル(写真で見るアルミのロッド)も固着し て動かなくなり、リバウンドアジャスターが効きません。分解するのも一苦労なんです。新品の組みつけの際、グリスの入りが甘いのが原因だと思います。

 年式でいうと07あたりからのモデルに多いですね。やっぱり水の中にザブザブ入ったり、洗車を良くする人、イコール沢山レースに出ているお客さんに多いです。みなさんのは大丈夫でしょうか? アジャスター、回転しますか?

photo:mondo-moto photo:mondo-moto photo:mondo-moto

 パワーアップ三点セット(最後の詰め)です。まず “マリオちゃんバー” 高速タイプ。なんかエンブレムにSPとか、プロトとか書いてあります。多分一本しか作ってないはずです。最初に買ったやつもえらくちょーしいいなーと思い使ってました。更に39mm(キャブ)用を作ってみたとか言われてテストしたのですが、こっちのが全然上が伸びるんですよねー。なんだか後だしジャンケンされた気分でブーブー文句言ってたら安くしてくれたので、また買っちゃいました(笑)。

 それに対応するべく125SX用のCDIです。上が伸びるはずだと思い購入しました。が・・・これを買ったときには時期的に湿気が多くなってしまったのと、暑くてコースでフル加速やフルブレーキングをする気分ではなく、山遊びばっかりになってしまった為、まだ全く体感できていません。残念です本当に。

 クリーナーBOXの穴あきのカバーは殆どノリで購入しました。以前のタイプは裏側に特殊な布?(水とかダストはしっかりカットして、空気だけ通すやつ)が付いていたんですが、いまのはあみあみだけになってしまいました。その分半値位になったんですけどね。

photo:mondo-moto

 山遊びが多くなって、走る場所も1500m超えとか気温も25度以上とかになってくると、36mmキャブ(ノーマル)の出番なんですよ。39mmだと標高の上下に対応出来なくなってくるんです。上から下まで気分良く一日遊ぶにはノーマルが無難ですね。右が39mmで左が優等生キャブ36mmです。

photo:mondo-moto

 09のリアショック分解図です。前回はお客さん(友人)二人の09用のサスペンションをモデファイしてレースで使ってもらいました。レースの結果だけ見たら上々の結果でしたが、まぁこの結果は二人がとってもナイスファイトをした結果で、サスペンションがどーのということばかりではなかったのですが、九州の難しいコースに良く対応出来てはいたんじゃないかと思います。

 今度は自分用を作ってみました。一年がかりの(笑)サスペンションです。イメージは、SX並に踏ん張りがあり、EXCのようなストローク感のあるPDSです。

 合体させるだけじゃねーの?という突っ込みがあちらこちらから聞こえてきますが、まあそれに近いですね(笑)。でも大変だったんですって、ここまで来るのが・・・。僕は純正部品にわりかしこだわりがありますので、アイテムは全て純正部品です。シムの積層は自分で考えましたので、一応オリジナルですよね??

 簡単に組み付け手順を紹介します。

photo:mondo-moto photo:mondo-moto

 今回のモデファイで肝になるニードルの入れ替えの図です。ノーマルがごく普通にテーパーの円筒タイプで、交換するのは二段階でテーパーがかかった物です。

 この手は09から初めて使われるようになったものですね。これだけ見てもサスペンションの動きが変わりそうな予感がありませんか?。

photo:mondo-moto

 えー、ニードルを組み付ける際にセンター出しを行っておりまーす。念には念を入れての作業です。特殊工具作成は、いつものトガシエンジニアリングさまです。

photo:mondo-moto

 ニードルを外す際にかなりの高温にて作業を行いますので、サブタンクもばらして、サブタンク内のフリーピストンのオーリングなんかも交換する必要があります。痛んでしまうと窒素ガスが抜けてしまう原因になってよい性能が発揮されません。

photo:mondo-moto

 コンプレッションダンピングコントロール。DCCと呼んでます。「コンプレッションを効かそう」とかいってクルクルとマイナスドライバーで回すあれです。ここにもシムの積層があります。

 使ってるのはWPのフロントフォーク用のシムなんですね。積層チェンジなんですが、目的は底付き性能の強化です。

photo:mondo-moto

 バンプラバー様です。PDSシステムでは様をいくつ付けても足りないくらい重要なパーツだと思います。当然新品に交換します。

photo:mondo-moto

 ピストンを組みつけている写真です。ピストンは通常ですと一つしか使われていないのですが、PDSに限ってナンバー1ピストンとナンバー2ピストン二つ使っています。

 黒い筒みたいなのが特殊工具になりまして、1と2のピストンがシリンダーに真っ直ぐ入るようにセンター出しをするのに使います。基本を踏まえた上で、合わせてシムの積層をチェンジします。

photo:mondo-moto

 作業も終盤ですね。エア抜きを行っています。今までの作業を確実なものにするために、特に気を遣います。

 どんなに色んなアイテムを交換したり、シムを並び替えたりしても、この作業に手抜きがあると作業した意味が無くなってしまいます。しっかりエアが抜けた後窒素を封入します。これで作業終了です。

photo:mondo-moto

 思い出すと約一年こればっかやってましたね。写真は完成した09改のリアショックです。スプリングを二通り使える(ハズ)仕様にしました。自分なりに割と満足はしています。まだ何回かしか乗ってはいなくて、鬼門と思われるコースでテストはしていないのですが、こんなところでOKでしょう。

 オートバイのサスペンション、フロントとリアがありますけど、みなさんはどちらが重要だと思いますか? それぞれのライダーレベルによって違いはあると思います。現在の僕の乗り方とかレベルではリアショックが非常に重要なんですよね。比率でいったら6:4あたりですね。フォークの動きはひどくてもそれなりに合わせられるような気がするんですよね。でもショックの動きは真剣に走れば走るほど合わせにくくなってくるんじゃないかなーと思います。みなさんはどうでしょうか?

photo:mondo-moto

 えー、作業データをお気に入りのファイルにとじておきます・・・ではなくてお気に入りのデータをファイルに閉じます。

 そろそろKTMのニューモデルもデリバリーが始まっているんでしょうか?。今年のモデル、どんななんでしょうね?。一年で一番楽しみな季節です。

2009.08.18.
関連するエントリ:
Mondo Motoホーム > 雑記index > 雑記011