今シーズンいろいろ勉強させてもらった僕の125SXです。いつに無くお金をかけたマシンでしたねえ。
その分いろんな勉強が出来ました。SXSのサスペンションから始まって、エンジンは150に変更したし、マリオチャンバーも三種類もテスト出来ました。ちょうど一年間使用で、ほぼ毎週のように乗っていたんですが、きれいでしょ?。
SXは今年からフレームが変わったのですが、07から使われていたこのモデルのフレームは、剛性感がバッチリで、直進性が凄く良くて安心してフロントタイヤに加重をかけられるマシンだったと思います。08のEXCに初めて乗ったときの感動は今でもはっきり思い出せますね。とにかく良かったです。
11の感想は後になるのですが、好みで分かれるところではないかと思います。まだまだ行けますよ、このフレームワークは。
上のバイクを売り出す直前にようやく完成した150SX仕様のマリオチャンバーです。単体で至近距離から見ると、相変わらず出来が良くてかっこいいです。秋元さんに伝えた希望は、中速域で出る強烈なトルクをぼやかしてくださいと言った内容を伝えました。
そしたらこんな答えが・・・
マリオは考えたんですが、150SXは250SX(4スト)のライバルとして開発されたと思います。乗り手を選ぶパフォーマンスですね。エンジン回転をパワーピーク辺りに常時キープして増速(シフト)して扱うパワー特性ですね。
通常トルクのピーク回転とパワーピーク回転は1500RPM位は離れていると思いますが多分150SXは1000RPM離れているかなってとこかな!
ですから、トルクとパワーがほぼ同時に出ちゃうもんで、ドッカーンと来ちゃうんです。
サンドコースなんか最高でんがな 旦那
旨くそのパワーを使うと速く走れまっせ旦那。
とまあメールを出した5分後に帰ってきました。ビンゴの返答でした。
解説どおり、150はサンド、マディーは最高なんですよ。ただ固い路面だと付が良すぎてバイクの早い動きに対してライディングをあわせるのが大変なんですよ。僕辺りのレベルだと。
10のパワーパーツカタログを見ると、DOMA製のチャンバーは125も150も共通で扱われていたので、ほんとにそんなんでいいのかなー??と疑問でしたけど、11のパワーパーツではちゃんと125SXと150SXはそれぞれ分かれて部番が出てきましたね。当然ですよねー。
この150のマリオチャンは今までどおり期待を裏切らない出来で非常に満足できました。アクセルを空けている時間が長くなればいいのだけどね・・・を望んでいましたが、そのとおり走れました。このタイプも板の肉厚が分厚いタイプですので、潰れにくいです。エンデューロ、山探と幅広く使えますよね。
まえから気になっていたんですが、肉厚があるタイプの方が、エンジンがきれいに回る感じがするんですけど、気のせいですか? 秋元さん。
そんなこんなで今年僕が乗ってみるニューマシンです。250の4サイクル。
今年のはFIになったし、しかも十何年かぶりのリンク付のレーサーですから買わない訳にはいかなかったです。
僕がこれを手に入れる前にお客さんが購入していましたので、既に何回かは乗っていました。注目の350SXも爺が岳のイベントで乗らせてもらう機会がありました。FIっていうのはエンジンがすごくスムーズですよね、特に250。キャブレターの時には感じていたKTM独特のゴツゴツしたトルク感が全くなくなっていて、125から乗り換えた僕にとっては理想的なフィーリングになっていました。
周りにCRFに乗っている友人が多く、前からスムーズでいいエンジンだなーと感じていたのですが、そんなフィーリングに近くなってきたと思います。この辺りは人それぞれ好みがありますので良いとか悪いは無いと思うのですが、僕はヒュンヒュン回るエンジンがやっぱり好きなんです。
自分のバイクはろくなセットアップもしないで、とりあえずハンドルポジションだけ合わせるような状態で初乗りしてみました。
久々のフォーサイクルは、125のツーサイよりも乗った雰囲気もマシーンなかんじで、午前中くらいは慣らしもかねてゆっくり乗ってみました。場所はマニアックなんですが、塩尻にあるモトクロスコースでした。アップダウンもあるし開けられるし、適度な路面の荒れ具合が結構好きなんですよね。
午後から自分なりの全開走行をしてみました。慣れていないバイクですので適当に聞き流してもらいたいのですが、まずはリンク付の足回りですけど、やっぱり高速でギャップに入ったときなんかの余裕は有ると思います。PDSだとドカーンと来たり、セットが合っていないと横に振られたりしそうなところでもフワッと吸収してくれてました。
バンク付のハイスピードコーナー、今までは座って行ってたところも、エンジンのトルクが有るってのもそうなんですが、立ったまま抜けられたりして、速いのか遅いのかは解らないんですがいい感じでした。タイムを計ってみたくなりますよね。
フレームは基本的には10モデルの進化した形って思いました。スピードを出しても安定しています。しかもコーナーでクルクル曲がります。これは10では感じないフィーリングでした。シートの形状もフラットで、あんまり意識しなくても気がついたらタンクキャップのすぐそばに座ってました。といった具合です。
11の125SXもその日に乗ってみたんですが、フレームの違いは乗り慣れている分こっちのがやっぱり体感できました。サスペンションセッティングもあると思います(まだ内容を確認していないのです)が、とにかく軽快で前に前に進みます。かなりびっくりしましたよ。確実に進化しましたねー。
250SXFは暫くつるしの状態で乗ろうと思います。慣れるという事もありますし、じっくり乗り込んでから練ろうと思います。いやー、やりたいこといっぱいです。
でも絶対に言える事は、PDSもここ最近でかなりのレベルに仕上がったと思います。EXCがリンク付にならないのもそういった意味合いがあると思います。ちなみに11の125SXもPDSです。エンデューロのシュチュエーションではモトクロスの世界戦ほどフルにショックを使っていませんよね。特に日本で僕ら程度のライダーなら尚更だと思います。今のPDSの性能で十二分だな、なんて考えたりしてその日乗っていたんですよね。
初乗りを終えて、納車準備(自分にですけど)兼、初回点検です。
ここのところKTMもいろんな箇所にグリスアップが必要です。ステムヘッド、スイングアームピボット、今年から面倒な物が付いて更にリンク、どれも今一歩しっかりグリスアップされておりません。白いKTMのころとはちょっと違いますね。
リンクレスだといとも簡単な作業ですが、このモデルからは時間を使いますねぇ。ふーー
ほらね、シールのリップ廻りにもグリスが欲しいところです。この辺りをフォローしておくと頻繁に乗る人であれば一年後に違いが出てきます。グリスアップをしない車両だと、ベアリングは持っても一年です。そのあとガタガタになります。
スロバキアのSIXDAYSに参加したとき、現地で使ったバイクをそのまま日本に持ち帰って使っていたのですが、使いっぱなしだったんです。やっぱりすぐにガタが出てしまいました。
この辺り、うっとりするほど出来がいいですね。シャフトの反対側が切ってあって、フレームに受けていますので、ナットを締め付けるとき簡単です。作業スピードは速いですよね。
ってまあ他のメーカーのを見たことが無いのでいろいろいえませんけど。すみません
この辺りは全てついでにの作業です。チェーン引きのボルトはグリスが塗ってあります。まあ念のため見ておきます。
チェーン交換です。最初について来るのは、モトクロッサーはレジ−ナです。現在エンデユーロマシンはDIDのシール。これなら問題は無いのですが、レジーナはとりあえず交換してしまいます。いろいろな場所を走りますのでやっぱり耐久性も考えてシールチェーンにしました。
大抵の場合しっかりセットされています。マニュアルどおりになってます。ある意味大したもんだと思います。全車両ですから。
でも念のためダンピング、リバウンド、プリロード、フロントも含め確認します。
キックシャフトからキックアームが錆びて抜けなくなる事が度々ありました。クラッチ廻りの簡単な作業を行う時、クラッチにたどり着く前に一時間くらい格闘してみるような経験をすると、ついグリスを塗りたくなりますね。
レース中、ブレーキペダルが何かに押されたはずみにクラッチカバーを割ってしまって、デブコンで埋めている間に五分遅着・・・みたいな事があると、尖ったブレーキペダルの先端を削りたくなる気分になりますね。
本来はステップの割りピンは裏側に止まってセットするのでしょうけれど、これだと割りピンがサビサビになってグニャグニャに曲がっていても気がつかなかったりします。そんな物を見なければ良いんでしょうけど、なんか気分的な問題です。
こんなふうにセットしていたら、「割りピンが抜けたらシャフトも落ちてステップが無くなるだろ」と突っ込みを入れてくれたお客さんがいました。納得です。
ハンドルポジションを決めます。バイクが変わっても寝かす量は一緒でした。センターよりやや寝かしぎみが好みです。近い方が好きなんですね。
ちなみにクランプ位置は手前側、クランプは反転して遠めに。KTMは四段階選べます。
クーラントを交換します。最初に入っている水はクーラント色が薄くてちょっと心配なので、新車の時に交換しておきます。
使っているのはシェルのクーラント。吹きにくくてかなり良いです。あとマグネシウムのカバーにも適していると聞きました。80年代のバイクはマグのクラッチカバーとかよくありましたが、そんなのに入れてみると良いかも知れないです。
バンドはノーズプライヤーで折り目をつけます。ゆるみ防止っていうことよりも、締めました、という確認事項になります。
一回乗ってタペットクリアランスの確認です。ツインカムになって確認だけは簡単に出来る作業になりました。
意外にインテーク右が詰まりぎみでした。その日はなんだか面倒くさくなり、そのままカバーを締めてしまいました(笑)。
確認は簡単なのですが、調整はカムシャフトを外さなければなりませんので、ちょっと面倒な作業なのです。次回乗った後行おうかな、と。
アネチャンバー(と言うらしい)。
どうやらアネキャンっていう雑誌(が有るんですか?)からパクッたらしいんですが、これを作っている人、チャンバー作製の間一体何を考えながら作業してるんですかねぇ。
コンセプトはおねえさん方に向いた極低速が十分出ている品物。僕の仕事場の常連様、Hらたさんからの強すぎる要望を伝えました。即答でまかせておけ、と言った返答だったので安心していたのですが、一本目をテストしたとき(半年以上前)のが本当にひどい出来だったんです。本人曰く、純正チャンバーって凄いよな・・・でした。なるほど、こりゃ駄目だ。とあきらめていたのですが、忘れた頃にやってきた二作目が非常に良い出来でした。
問題になるのは、アクセル開度でおおよそ1/8あたりの出だしだと僕は考えていたのですが、クラッチミートする瞬間のリアタイヤの食いつきも素晴らしく(この辺りは純正チャンバーって凄く良いんです)、その後のつながりもグッドです。全体的にトルクが下に振られている雰囲気で、3速とか4速で何となくギアの選択を間違えた時のアクセルの付が非常によくて、純正チャンバー以上の性能でした。
見栄えも相変わらず素晴らしい。山遊び、難所系のレースには、肉厚に作ってありますのでさらにお勧めだと思います。
ひとまず、シーズンオフです。皆さん乗り込んで良いバイクで来シーズンを目指しましょう。