基本的にはいろんなモトクロスコースを走行していて、めちゃめちゃなマディーも何回かありましたし、既に新車な雰囲気は無いかも(汗)です……
今回は乗り始めてここ3ヶ月位に行ったモデファイとか諸々を書きたいと思います。ノーマルの状態でも十分レベルが高いマシンだと思いますし、このままでも全然楽しめるマシンなのですが、そこの所は仕事柄(笑)何かしなくちゃならぬでしょうってのがあります。まあ、やっぱりエンジンもサスペンションも、もう少し自分好みをっていうのが一番の理由です。
そんな訳で、まずは一般的にチューニングの定番となるであろう吸排気から始めました。
チャンバーはKTMパワーパーツのFMFを選びました。去年乗っていたフサベルTE250でも使っていたのですが、250だといまいちフィーリングが合いませんでした。ノーマルに少し上乗せみたいな特性で、もっとどっかんと来るのを想像していたのですが、肩透かしでしたね。
それに対して125EXCにはぴったりだと思います。これは以前125EXCに乗っていたときのフィーリングを覚えていましたのですんなり選べました。
エンジンのフィーリングを説明するのがとても苦手で、擬音ばかりの説明になるのですが、ピンピンのトルクが全域で出てくるノーマルチャンバーに対して、「ぶぅをわーーー」って太いんですがすぐにリアタイヤに伝わらないようなトルクが低速から出てくるエンジン特性が僕は好みです。アクセルが開けやすいって事と、全開に出来る時間が長くなる気がしますので気分が良いってところですね。
サイレンサーは勿論アクラポビッチ。でも勿論ってほど勢い良く購入したわけではありません……高価ですので。でもはっきり効果は出ますよ。スムーズに綺麗に吹けますので、気分の良いエンジンになります。排気音も乾いていてとってもレーシーですよー。
ついでに外装もオレンジにしちゃいました。やっぱKTMはオレンジが似合うと思います。今年のSIXDAYSもイタリアンカラーでかなり気に入っているのですが、まあきれいなうちに取っておいて中古車で販売する時に取り付けようか…とか、いろいろです。
「でもやっぱオレンジでしょ」って僕は思います。
チャンバー、サイレンサーと同時にキャブレターを交換しました。これも以前に試した事がある内容になります。
左がノーマル36mm、右がPJ39mmキャブレターです。まずチョイスしたのがPJ39mmです。なのですが…当然パワーが出るものだと思っていたのですが、今一歩どころか全く走りませんでした。09モデル・10モデルの時に取っておいたデータと同様にセットしたのですが、何故か美味しくなかったです。
今までのセットというと、39mmキャブレター・写真のCDI・サイレンサーはあの頃はDOMAでしたね。チャンバーはマリオチャンバー、FMF、DOMA、とそれぞれ試しました。それぞれ特徴があって、どれもどかーんとパワーが出て面白かったんですが、今年のモデルに合わせると合わないのは今現在原因不明です……勿論このままにしておきませんよ(汗)。対策を練って再度調整する予定です。
ノーマルキャブとノーマルCDIに戻すと好調です。ですのでCDIを別のSX用に交換したのですが、やっぱり39とは相性が悪かったです。以前までのモデルとの違いはエアダクトの形状くらいでしょうか。「それは十分な違いだろー」っていう気もしますが、そこまでは…とも思います。
まあ不調なのは間違いないことは理解できましたので、次回はキャブレーション変更、またエンジンのメンテナンスのタイミングにもなってきますので、デバイスのメーンフラップのディメンション確認なども行いたいと思います。
しかしあれですよね、エンジンが不調のマシンってサスペンションも上手く動かないですし、走りがめちゃくちゃになるんですよね。今までもエンジンのメンテナンス期間を過ぎてしまって無理して乗っていたり、とかそういったバランスが悪い状態で上手く走らせられないなんて状況は何度も経験してきたのですが、今回もまた再確認しました(笑)。良いエンジンあってのサスペンションですし、マシンってことですね。いやー、まいったまいったですよ。
結果的にその状況から逃れる(笑)ことになるのですが、PWK38mmに交換しました。これは現行の125SXに使われているキャブレターです。
絶好調ですよ。「気分いいなー」です。キャブレーションは最初にマニュアルにあるSXのノーマルから入りました。車体がEXCとはいっても、排気やCDIを交換していますので当然薄く出ました。パワーは明らかに出たのですが、レスポンスが良すぎるのと、トルク感が出ていませんでした。MJ188 PJ45NOZG でポジションが4ってところです。
これを… MJ190 PJ45 ZG でポジションを5にしました。適当にアクセルを開けるとフロントがふわーって上がってきてしまうパワーは125では久しぶりでしたね。ポジション5っていうのは今まででなんと初めてでした。ですのでFの4ってのも試したのですがやっぱり少し薄めで、G5がベストですね。気温は5度。海抜は0-300mです。
現状文句無しですね。強いていえばチャンバーの容量がもう少しあるといいなあといったところです。これから暑くなって来ますので、バランスを見ていろいろ試して行きたいと思います。
エンジンのパワーアップと同時にサスペンションのモデファイも行いました。
作業している時に思ったのですが、こんな作業って自分ではとても面白いんだけど、誰が参考にするのかなあ(笑)という気がしました。一応お客さんが参考にしてくれるような内容をと毎回考えているのですが、今回は結構趣味の世界になってしまいましたねえ。このショックも今時誰も使ってないだろうと思われる品物です。11モデルまでのPDSのSXSショックを、12モデル以降のショック(全長が長いんです)に合体させました。やっぱり過去にも行っていますので、過去の記事を見てください。
本当でしたら、リアショックならWP/TRAX、フォークならWP/CONEVALVEとか入れておけば良いんでしょうけど、やっぱり誰が参考にするんだろうって思います。現状ではあんまり現実的ではないのかなあという感想です。ほんとにヨーロッパは遠いというか、ファクトリーはすごいというか…です。まあリアショックくらいはいいかもですね、従来どおりの構造でしょうし……
でも、ちょっとしょぼい印象ですが、写真のこれも相当行けますよ。ハイスピードダンパーとロースピードダンパーが独立しているっていうのがポイントだと思います。初期作動と、特にフルボトムしたときの安定感はノーマルショックでは得られないフィーリングです。
ノーマルショックのパーツなのですが、スプリングリテーナー(アンダー)に大径のOリングが使われています。ノーマルショックだと結構つぶれてしまって、負担がかかっている印象です。体感ではそれ程ひどいボトムフィーリングではなかったんですけどね。
ノーマルのインプレとしては、全体的に良く動いて良いのですが、もう少しダンパー効果が欲しい印象で落ち着きが出て欲しいという感想です。
山とか走るにはストローク感を生かして、登りのギャップやトラクションし難い木の根や岩なんか引っかからず走行出来ますよね。PDSならではの走破性ってところでしょうか。コースだとハイスピードコーナーのうねりやギャップに対してのダンパー効果が足りていない気がします。あとブレーキバンプに対してですね。
ノーマルショックでもシムの入れ替えでカバー出来る内容なのですが、コースでも山でもっていう中間を取るのがなかなか難しいところです。ですがSXSショックだともう少し幅広いセットが可能になると思います。
シムのセットはなのですが、EXCとSXの良い面を取るってところでしょうか。ダンパー側を多く入れ替えるのですが、ナンバー1ピストンでは初期作動を考えて、ナンバー2ピストンは特に好みが入るのですが、ゆったりと踏ん張るフィーリングが好きなので、そんな感じにセットしています。
サスペンションのモデファイ。続いてフロントフォークです。ノーマルで使われている4CSの他に、僕にとって今一番フィーリングの合うクローズドカートリッジも使っています。
4CSとの比較にもなりますし、SXシリーズでは現行で使われているフォークですので当然勉強にもなります。ノーマルのKTMやHusqvarna、またフサベルで使われているフロントフォークでは、一番性能が良いフォークではないかと思います。
フォークのアクスルクランプを外しています。以前からずっとやってみたいと思っていて出来なかったオイルロックピースの考察をまとめてみました。
この部品は中間からフルボトムまでのフィーリングに影響しています。フォークが奥に入るにしたがってオイルロックが強くなっていきます。これが無いと危ないんでしょうねー、そんなのに乗ったことが多分ありませんので解らないんですけど、カッコーンと入っちゃうんでしょうね。そういえば去年の4CS、あれはそういった意味ではやばかったのかも(笑)です……
突貫工事的な風景になっていますが、急いでる時はこんな感じでやってしまいます。インナーチューブをしっかり固定してクランプを暖めてぐいっと回すと外れます。まあまあ時間のかからない作業ですね。
三種類です。まあ厳密にいったら何種類あっても良いとおもいますってのが、今回の感想です。このパーツ、ボトムフィーリングだけではなく、フォーク全体の動きにまでかなり影響しています。
ちなみにノーマル(09だと思うんですが、以降のタイプ)が一番左。右が以前からモデファイ用で使っていたタイプ。単純に長くしてみました。オイルロックを強化したかったので作りました。で、今回自分のマシン用で煮詰めて決めた寸法が真ん中になります。ノーマルよりも僅かに長いです。
なぜこんな事を始めたかというと、クローズドカートリッジのエンデューロ仕様へのモデファイはもう何年も前から行ってきました。モトクロス(吊るし)で使うような踏ん張り感があると、荒れた路面や、固くても柔らかくても滑りやすい路面では走りにくいですよね。エンデューロのセットは当然初期作動を重視して動く方向にします。オイルのタイプを変えたり、スプリングを変えたり、シムの並びを変えたりといろいろな要素を合せて行ってきたのですが、ボトムフィーリングをノーマルフォーク同様もう少しピタッと収めたいと思うようになりました。
シムの並びでもある程度ピタッてのは可能で、もう少し積層を煮詰めても良いと思います。注意しなくちゃいけないのが、ボトムを強化するとやっぱり全体的に固めに振れてくるはずですので、この辺りが難しいんですよね。で、今回は違う角度からってことにしたのが理由です。
右のモデファイ用は主に250EXCやフサベルTE250で使っていました。しっかりと効果が出ていました。結構お勧めなんですよ。
なので125EXCも大丈夫だろうと使ってみたのですが、これが何故かめちゃくちゃ固く出てしまって乗れたもんじゃなかったんです。もう中間に至る前から固くて手に来まくるし、辛いフォークでしたね(笑)。
ノーマルフォークは一種類を使いまわしているのに、です。やっぱりメーカーさんは、ここって寸法で作っているんでしょうかね。それに対してのシムの並びを準備してるってことなんだと思います。
ですのでその後はすこしずつカットしては乗って、カットしては乗ってを何回か繰り返して、ちょうど良いところを発見しました。結構自分なりに上手く行ったと思います。初期作動はしなやかに、中間から奥はぎゅーと入ってピタッと止まるフィーリングが出来ました。
まだ試していないのですが、ノーマルのオイルロックピースをカットすると理屈的には柔らかな動きが出てくるのでは? とも思いました。ちょっと危ない実験だと思いますので決してお勧めではありませんが、今度山遊びがてら試してみても良いかなあって思っています。
今回のモディファイの根拠になった事です。右は08モデル(クローズドカートリッジの初期型)用のオイルロックピースになります。左が現行モデルのノーマル。
比較すると08用って随分ロングじゃないですか??。
08のクローズドカートリッジって僕のレベルでは固くて全く乗れませんでした。筒の寸法は長さ以外はほぼ同一です。長さだけ変えていろいろ試せるなら……ってのが良かったですね。
今流行のSSPも当然使ってみました。直感で「ここにこの重りは良いでしょう」と思いました。大した直感ではないのですが……
とても興味がありましたし、仕事柄こういうのは当然使ってみなきゃねって購入しました。なかなかテストする時間が取れなかったので、乗ったのは一回だけです。感想は…うーん、もう少し乗ってみてから今後書きたいと思います。沢山のライダーが試しているようですので、お話しを聞いてみてください。良いフィーリングなのは間違い無いと思います。
取り付けて走行してみたのはクローズドカートリッジと写真の4CSです。
話しは変わって、この4CSも新たにテストした事があります。前回の記事にしたのですが、13モデルの4CSに14モデルのパーツを組み込んでボトムフィーリングを改善しています。14モデルのノーマルフォークの動きが125には少し固く出ていた気がしましたので、シムの並びはよりソフトにオリジナルでセットしています。
今回は、このフォークに14では1レート上げのフォークスプリングをセットしました。4.0N/mmです。このスプリングは13モデルでは標準のバネになります。
えーと…何を確認したかったかというと、13モデルから14モデルへの変更にあたり、よりリーズナブルに済ますためにスプリングを購入しなくて良いセットを見つけたかったんです。
モトクロスコースしか走っていないのですが、ひとまず固い感覚は無くて、普通に走行できました。さらにもう少しスピードの出ないコンディションで試す必要がありますので、この辺りを次回の課題にして練っていく予定です。
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